【2023年】オーストラリアのAged Careで働くメリット2選!

【2023年】オーストラリアのAged Careで働くメリット2選!

海外で転職や移住を考えるうえで、これからどんな仕事をしたいのか、自分に何ができるのか気になりますよね。

そんな中で以下のような悩みを抱えている人も多いかもしれません。

  • 漠然と、オーストラリアの介護職に興味があり、日本との違いが知りたい
  • 海外の高齢者ケアには興味があるけど、オーストラリアの生活が自分に合うのかわからないうちから大金を払って留学することに不安を覚える
  • 海外移住をしてセカンドキャリアを考えたい

実は最近、otgogoへのご相談でも、このようなお悩み相談が増えています。

今回はこんな悩みをもった方に向けて、私が8年以上働いたオーストラリアのケアホーム(介護施設)での体験談を踏まえ、たくさんある魅力のうち2つについて、深堀してご紹介します!

これからオーストラリアに初めて来られる方以外にも、ワーキングホリデー後のキャリアを考える上でも参考になると思います!

作業療法士以外の職種にも当てはまるお話です。

オーストラリアにおける高齢者人口の増加と介護職の需要

結論:オーストラリアでは、介護職スタッフの需要が高まっています。

At 30 June 2020, there were an estimated 4.2 million older Australians (aged 65 and over) with older people comprising 16% of the total Australian population.

訳:2020年6月30日時点で、オーストラリアには約420万人の高齢者(65歳以上)がおり、高齢者は全人口の16%を占めていた。

Australian Institution of Health and Wellfare

オーストラリア政府の統計データによると、2020年6月30日時点で、オーストラリアには約420万人の高齢者(65歳以上)がおり、高齢者は全人口の16%を占めていました。

さらに、この数字は今後も増加すると予測されており、2066年までに、オーストラリアの高齢者は総人口の21%から23%を占めると予測されています。

この高齢者人口の増加に伴い、Aged Care(高齢者ケア)スタッフの需要が高まっています。

Aged Care スタッフの働く場所について

具体的なAged Careスタッフが働く職場には、以下のような場所があります。

  • 対象者の自宅(訪問リハビリや介助)
  • リタイアメントビレッジ(高齢者や軽度介助が必要な人が住む集合住宅)
  • デイサービスセンター
  • グループホーム(少人数で介護職員がいる家で共同生活)
  • レスパイトケア(日本でいうショートステイ、数日単位で短期間ケアホームやグループホームに住む)
  • ケアホーム(介護療養型施設)

デイサービスやグループホームはまだオーストラリアではあまり普及しておらず、大型の敷地や施設(入居者30~100人以上)単位の場所が多いです。

この点(大人数が一か所に集まる)は、少し昔の日本のシステムに近いなぁ、今の日本のように「少人数の施設がもっと増えたらなあ」と思ったりしています。

日本とオーストラリアのケアホームの違いとは

ここからは特に「ケアホーム(介護療養型施設)」についての話をしていきます。

日本とオーストラリアのケアホームの相違は、

「より多くの頻度や時間介護を要する人」がケアホームに入居することは似ていますが、

オーストラリアの方が「自然死」を選ぶ本人や家族が多く、嚥下機能が低下して口から食べられなくなった後「胃に管を通して栄養摂取する方法(胃ろう)を選択しない」という人の割合が圧倒的に多いため、寝たきりの人が少なく、活動的な人が多い印象です。

どちらが良い・悪いとかではなく、私はこれまで4施設のケアホームで8年間働いて、たくさんの方を看取ってきましたが、一度も「胃ろう」を選択した入居者さんや家族を見たことがないです。

オーストラリアの終末期医療サポートについては、別の話になるのでここでは省略しますね。

オーストラリアのケアホームで働くメリット2選

ケアホームでの働き方には、さまざまな魅力があります。以下では、その中でも代表的な2つの魅力を紹介します。

※あくまで私個人的の意見です。

感情表現が豊か

ケアホームに限らず、オーストラリアのAged careで働くメリットの一つは、なんといっても対象者・家族・同僚からの温かい笑顔や感謝をダイレクトに、そして豊かな表現方法で受けることができることです。

ケアホームでは、入居者の方々に日々の生活(着替えや寝返りから、生きがい活動も含め)を支援することが求められます。

そのため、スタッフはご本人がどんな人生を送ってきて、どんな国・文化・価値観を大切にしてきたのかを知り、それを尊重たかかわり、ご本人が生きがいを持って生活し続けられるために必要なサポートをします。

その結果、信頼が構築され、日々の感謝を言葉だけでなく、笑顔やハグで表現してくれ、スタッフもやりがいや喜び、存在価値を感じることができます。※もちろんそうでない方もおられます。

特にオーストラリアは、対象者もスタッフも社交的で表現が豊かで、褒め上手がとっても多く、ハグしてくれたり、冗談を言い合って一緒にたくさん笑ったり、踊ったり、歌ったり。

私の英語が拙い時から、たくさん愛情をいただき、そのおかげで8年以上Aged Careの仕事に関わることができました。

スタッフが「楽しませてあげる」という役割をするのではなく、「一緒に楽しむ」ことが良いとされているので、働いていてとても楽しいです。

参考までに、私の過去の職場での、オーストラリアのケアホームの入居者さんと日本人ボランティアを繋ぐ活動についてはこちらから

働きやすい環境と福利厚生

対象者さんとの関わりの中で得られるやりがいだけでなく、私がオーストラリアで働き続けたいと思う理由には「働きやすい環境と福利厚生」も大きいです。

過去のTwitterでご紹介した、具体的な「オーストラリアの働き方」の良いところは以下の通りです。

  • 病欠や休暇で休んだ日に罪悪感がほぼない
  • 長期休暇の「長期」とは、一ヶ月以上からのイメージ。それ以下は短期休暇。
  • 同僚が休んだ時のカバーを自分で見つける必要全くなし
  • 面接時や働いたあと給料交渉することに「いやしい」感がない、むしろ「フツー」

とはいえオーストラリアの雇用形態について知らない方もおられると思うので、もっとわかりやすく説明していきます。

オーストラリアの雇用形態

オーストラリアではフルタイムの場合、年4~5週間程度の有給休暇に加えて、シックリーブ(有給での病欠)が年に10日と法律で認められています。

また、10年以上同じ雇用主のもとで働くと、プラスで2か月(約8週間)のロングサービスリーブ(長期有給休暇)が与えられます。

職場によって取得条件は異なりますが、産休育休も国の制度としてあります。

具体的に日本と違うところ

日本でも期間や権利は同じようにあるかもしれませんが、問題は

有給休暇を何日間、いつ、気持ちよく、使えるか?」

ですよね。

現実的には日本では、特に医療・介護職で1週間も連続で休みを取ると他のスタッフや対象者に迷惑をかけるのではないか、と考える風潮があったり、自分の代わりに働く人を自分で見つけなければならない、なんていう職場もあったりして、休みの前後・休んでいる間も気持ちが休まらないこともしばしば(新入社員はさらに気を使いますよね)。。

オーストラリア人の同僚に、こんな日本の休暇に対する現状を話したら「1週間のホリデーが長い!?1か月の間違いでしょ!?」と耳を疑われました( ´∀` )

オーストラリアでは、スタッフの国際色が強い分、クリスマス時期は自国に一時帰国する人が多かったり、オーストラリア人は家族で数日から数週間の休暇を楽しむ人も多いです。

ただ、シフト担当の人がいるので、「長期休暇は2~6週間以上前に申請してねー」とだけ言われて大体申請が通ります。

これが成り立つ背景には、

  • 労働者の権利やそれに対する労働者の主張が日本より圧倒的に強いこと
  • 法人(ケアホームなど)は、正規職員以外に非正規職員や外部のスタッフ派遣会社と契約しているので、人数が足りないときに補充されること

などが理由としてあるようです。

実際は、それでも足りない時もありますが、それにより休んだスタッフが非難されることはほぼないです。

こういった点では、自分の身体やメンタルの健康を保ちつつ、しっかりと働くことができる環境が整っているので安心感があります。

とはいえ、お願いされると断れないタイプの人自己犠牲の上の責任感強めで働く人は、あっさりと、えげつないシフトや仕事量を言い渡されることがあります。

こんなとき、「手伝いたい気持ちは山々だけど、私ができるのはここまでです」と、しっかり自分軸を持って働くことが求められます

日本人は「信用できる」だけでなく「断れない人」が多い、というのは海外では結構有名な話。

自分の役割を契約時にもらうJob Descriptionを読んでしっかり把握したうえで、過剰なシフトや役割をお願いされた場合は、相手に理解を見せつつ、「無理なことは無理」と伝える英語力と自信をつけることも大切です。

夢カナ留学では、海外で働いてみたい人や留学したいあなたが、移住後に困らないように、プロのネイティブ講師と英語の事前学習ができます。

夢カナ留学はこんな人におススメ

  • 現地で通用する英語力を身に着けるために効率よく学びたい
  • 自分のレベルに合った独自の学習カリキュラムで勉強したい
  • 留学するなら日本人の割合が少ない語学学校で本気で学びたい
  • 現地で自分が本当にやりたい仕事につくためのサポートがほしい

とはいえ、

「今すぐに留学や移住することは考えていない」

「自分に合うのか不安」

「どれくらいの費用が掛かるのか気になる」

という方もおられますよね。

私も移住の一年以上前から情報を集め、英語勉強をはじめました。

こんな方は、リスクゼロで不安を払拭でき夢カナ留学の無料カウンセリングを受けてみるのが良いかも。

労働者一人ひとりの権利や主張が強く、社会的にも「公平性」が重視されている実力社会だからこそ、

給料交渉することに「いやしい」感がない、むしろ「フツー」

日本では、「この実績と経験をもとに、自分の給料を上げてほしい」と伝えるのがまだまだ億劫で、「お金のために働いている、と思われるのではないか」という社会的な不安に悩まされて言い出せない人もいますよね。

私も面接のときに給料を聞いたり、上司との面談の時に「給料を上げてほしい」なんて、言った後が怖くて日本では口が裂けてもいえませんでした。

そして、日本では実際、医療・介護職であれば、月給数千円上がれば良い方ではないでしょうか。

一方、オーストラリアでは、パフォーマンスレビューといって、年一回上司と自分のここ一年の仕事経験・実績などを振り返り、それらを加味して昇給されるチャンスがやってきます。

その際に、給料交渉をすることを「恥ずかしい」とか「卑しい」と思う人はいません。

なぜなら「自分が会社に貢献したことが、感謝の言葉以外で評価として給料に反映される」のは当たり前のことだからです。

お金のために働いているわけではなくとも、「それが一つの評価基準になる」ととらえているようです。

とはいえ、ある程度は職業(例えば介護士)の中で経験年数やスキルによるレベル分けが定められていて、それにのっとって上がっていくというのも知っておきたいところです。

相場の評価額を知った中で交渉しないと、逆効果になるので要注意。

他にも、給料面でいうと、昇給が月給ではなく「時給単位」で反映されるため、日本で雇用されるより、基本給の上がり幅は大きいです。

オーストラリアで苦しい時期を乗り越えて作業療法士資格を取得した今言えるのは、

資格取得のためにかけた年単位の時間・枯渇しかけた貯金・何回も諦めようと思ったけど継続した労力が、「報われた~!」と思える瞬間は、確実に来ます!好きなことならなおさら!

オーストラリアでの働き方に関する記事は他にも▼

【2023年版】オーストラリアで日本の療法士が就職する方法3選!

海外就職に役立つ、本当に合格しやすい履歴書(CV)の書き方

【2023年】海外の作業療法士の年収と将来性を比較:オーストラリア/カナダ/アメリカ

まとめ

今回は、オーストラリアのAged Careの仕事の将来性や、オーストラリアのケアホームで働く魅力を2つご紹介しました。作業療法士だけでなく、介護士、ナース、医師、療法アシスタントにも当てはまる内容だったと思います。

他にもたくさんの魅力がありますが、少しでも参考になれば幸いです。

オーストラリアで働いてみて意外だったこと3選については→こちらの記事

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