【日豪作業療法士が教える】オーストラリアで作業療法士免許を取る手順

【日豪作業療法士が教える】オーストラリアで作業療法士免許を取る手順

「日本で作業療法士の免許を取得し、その免許や経験を生かして海外で作業療法士として働きたい!

「海外で自分の免許が使えるなら、どんな流れで作業療法士になれるのか(留学以外の方法)興味がある

という方は多いはず。

でもそんな情報を調べようにも、英語だとわかりにくいことも多いですよね。

結論からいうと、日本語で「オーストラリアで作業療法士になる具体的な方法」を説明してくれているサイトはまだまだ少ないというのが現状です。

実際に調べてみると、海外の作業療法士がオーストラリアで資格を取得する流れについてはオーストラリアのOT councilという機関が公式にStep-by-step Process for Internationally-qualified Practitionersで解説をしています。

しかし、これは英語で分かりにくいうえ、「Stage1の申請条件」を満たした人向けなので、

そもそも「Stage1の申請条件ってなに?」

「自分は申請とか以前の段階で、ただ漠然と海外のOT免許取得方法に興味がある」

という段階の方にはかなり分かりにくい内容になっています。

しずか
しずか

私はもともと、海外で作業療法士として働いてみたいなーという気持ちはあったものの、右も左も分からず、日本語で相談できる窓口や経験者も見つからず、全体像がふんわりとしか分からない英語の解説を唯一の手掛かりに進んで、かなりの回り道をしてしまいました(涙)

複雑な手順やトンネルの中にいる不安を乗り越えて、現在オーストラリアで作業療法士になった私としては、

これから同じ道を歩む友達や後輩が、少しでも楽にストレス少なく申請を終えて、その努力・熱意・時間をできる限り早くクライアントのために充ててほしい!

と強く思ったのです。もちろん努力が実った時の達成感はありますが、せっかく作業療法士としてのやる気があるという方が、免許の申請手続きでつまずく時間ほど無駄なことはない、と思うのです。

なので今回は、西オーストラリア唯一の日本人作業療法士の私の経験もふまえ、「今は海外のOTに漠然と興味を持っているだけ」という方から「実際にオーストラリアで作業療法士になるために行動していきたい!」という方を対象に、オーストラリアでOT免許を取るまでの流れをまとめて分かりやすく日本語で紹介します!

このブログを読むと以下のことがわかります。

  • オーストラリアで作業療法士の資格を申請する時の、全体の流れが把握できる
  • 各ステップでどれくらいの期間がかかるか(個人差を含め)わかる
  • 実際の体験談が聞ける
  • 日豪作業療法士が翻訳した情報がお得に入手できる!

オーストラリアで作業療法士の資格を取得までの、全体の流れ

日本の作業療法士免許を持っていたらオーストラリアの大学に行かずに作業療法士免許を取れるか?

結論から言うと、「条件付きで」可能です。

つまり、日本の作業療法士免許を持っているからといって、全員が以下に解説する手順でオーストラリアの大学に行かずに作業療法士免許を取得できるというわけではないのです(厳しい。。)

まず大前提に、これから紹介する全体の流れは、以下の2つの条件をクリアした人が対象になります。

  • WFOT認定校かつオーストラリアでの大学または大学院と同等の大学で学位を取得・卒業かつ
  • (新卒以外は)過去5年以内に一定時間以上、本(オーストラリア以外の国)で作業療法士として働いた経験がある

これを読んで
「え?自分の卒業校についてそんなこと考えたことなかった…」という方や、

「私の卒業校があてはまるのか分からない」というも、ご安心ください。

以下の過去記事にその辺を詳しく解説してあります。

オーストラリアで作業療法士資格を取得する方法【まとめ】

日本で取得した学位がオーストラリアの学位と同等であるのか知るには?(具体的な確認方法あり)

上記の記事情報を読んで、自分がWFOT認定校かつオーストラリアでの大学または大学院と同等の大学で学位を取得・卒業している。過去5年以内に一定時間以上、本(オーストラリア以外の国)で作業療法士として働いた経験があるという方(またはその予定の方)は、この記事を読むと、オーストラリアでのOT免許の取り方が、さらに明確になります。

実習を含めたOT免許取得までの全体の流れ

ここからは具体的に「どんな流れで(上記の条件を満たした)日本の作業療法士がオーストラリアで作業療法士免許を取れるのか」一例を紹介していきます。

人によって個人差が出る部分もあるのであくまで参考までに☆

全体の流れ

  • STEP1
    必要な英語力を満たすための英語学習とテスト|期間は個人差あり
    IELTS/OET/PET/TOEFL iBTの選択肢あり。日本でも受験可能
  • STEP2
    Stage1の書類審査のための書類を集めてOTCに提出、FacetimeでID確認の電話を受ける|準備含め2週間~2ヵ月間程度
    追加書類が求められない限り、書類が受理されてから2週間程度でStage1完了証明書がメールで届く。
  • STEP3
    OT実習指導者の同意書をOTCに提出。同時にOT仮免(Limited Registration)申請|2ヵ月間~7ヵ月程度
    Stage1の完了証明書とその他の必要書類をAHPRA(OTの免許センター)へ提出。注意点:この段階で、過去2年以内の英語試験の結果と、過去5年、3年、または1年以内に一定時間以上日本や他国で働いた証明が再度必要になる。ここで日本の厚生労働省に依頼して直接AHPRAに送ってもらう資料などもあり。ここまでで実習地とスーパーバイザーを確定しておく必要あり。
  • STEP4
    仮免発行→Stage2申請書と実習計画書をOTCに提出|2~8週間
    実習指導者と、実習地や机上、研修出席で達成する自分のゴール設定をする。内容は実習先で行う仕事内容や専門により異なる。
  • STEP5
    中間報告書をOTCに提出|フルタイムに実習の場合は実習3ヵ月目、パートタイムの場合は実習6ヵ月目で提出
    提出後、OTCからいつ頃最終報告書を提出して良いか、残りの実習期間についてアドバイスが来る。
  • STEP6
    最終報告書をOTCに提出|中間報告書提出後、問題なければ1-2ヵ月
    中間報告の時点で未達成だった項目を完了して、最終報告に必要な資料を提出、約2週間~1ヵ月、結果がでるまで実習継続
  • STEP5
    OTCから実習完了証明が届く。AHPRAにOT免許を申請|6週間程度
    実習終了!結果待ちまで実習を続けてもよい。英語は2年以内という項目があるが、仮免の段階でパスしていれば再試する必要なし。6週間くらいで本免許が届く。お疲れさまでした!

これをみて、大まかな流れと、個人差がある部分も結構ありそうだ、と分かったかと思います。

ただ、上記は2022年に申請した人の場合で、直近では2023年2月に各ステップが更新されました(またか~!)

日本語でも結構複雑なのに、これを英語で読み込むって、、IELTSで7やOETでBを取ったからといってサクサク読めるわけではありませんよね。私も要綱を理解するのに相当苦労しました。。

そんな方が、時間とお金を節約しながら日本語で、しかも現役オーストラリア作業療法士の解説付きでOT免許書き換えプロセスを学びたいならこちら↓↓↓

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資格取得までにかかる期間について、個人差が出る部分は特にココ!

オーストラリアで作業療法士になりたい!と思っても、キャリアを考えるうえでどれくらいの「期間」が実際にかかるのか、人生プランを考えるうえでとっても重要ですよね。

申請条件を達成し、実際に申請を開始したときからの資格取得までにかかる期間についてはこちらで詳しく解説してあります→日本の作業療法士がオーストラリアで資格取得するのにかかる期間とは?

申請で絶対にかかる期間以外にも、私の経験上「期間に個人差が出る」部分は以下の通りです↓

  • 英語力が申請条件に達するまでの時間
  • ビザを確定するまでの時間(会社にスポンサーしてもらう場合などは時間が移民局とのやり取りに時間がかかるかも)
  • 実習前の仮免申請後や計画書提出後の待機時間(追加資料や再提出を求められる場合も)

もともとの英語力が低い(私みたいな)人の場合は、英語の習得に予想以上に時間がかかる場合もあります。

逆に、国際結婚をしていてすでに永住権があるという人や、スポンサーしてくれる企業が見つかっている場合は後の永住権が取れるかの不安からも解放されます。※ビザについてはオーストラリア政府の移民局の管轄なので、OT免許の申請とは別件で行う必要があります。

実習前の仮免申請中(受理されるまで)の待機時間など、「忘れられてないよね?」と不安になるくらい数カ月間の待ち時間があったりするので、ビザの有効期限が1年以上ビザが残っていることが安心

また、学生ビザの場合はフルタイムで働けない(2週間で48時間以内という)就労制限が2023年7月1日から再開されるため、その点も注意が必要です。

ビザの条件はとっても変わりやすいので、ビザエージェントや移民局のサイトで調べたり聞いてみるのがおすすめ。

私は英語が拙いことや文化の違いで混乱・悔しい思いもたくさんしましたが、それはそれで言語障害や高次脳機能リハを体験する良い機会だと捉えて、移住初期はワーキングホリデーを楽しんだり、学生ビザを使いながら英語学校や(英語の勉強に飽きて)ビジネス学校に行ったりして、実生活も楽しみつつ英語を学びました。

せっかく生き方を変更したんだから、オーストラリアでの生活も楽しもう!その先に作業療法士がある!と、スポンサービザの二年間も自分なりに楽しんで働き、過疎地でも生活しました。

今の環境で同じ期間、もやもやしながら生きるくらいなら、同じく大変な道でも進んだ先に自分がもっと幸せになれる、輝ける将来を掴むために努力と時間をかけよう!

と思っていただければ幸いです^^

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オーストラリアの作業療法士の給料とは?

ここまでで、結構な労力と時間がかかることが分かったと思います。もちろん、その間に生活していかなければならないため、

「かけた時間やお金の分をペイオフできるくらいの給料が稼げるのか?」

という不安はありますよね。

オーストラリアを含めた海外の作業療法士の年収についてはこちらの記事で解説しています。

【2023年】海外の作業療法士の年収と将来性を比較:オーストラリア/カナダ/アメリカ

挑戦しよう!と本気で思った人がまずやるべきこととは?

この記事を読んで、よし!今から行動してみよう!と思った方は、その行動力を存分に生かしましょう!

おすすめのステップはこちら↓

  1. 自分の現在の状況を把握(長所・短所・やりたいこと・やりたいけど不安なこと)を書き出す
  2. 1で出た、やりたいけど不安なこと(例えば英語力が低い)に関して、解決策(どうすれば不安が取り除けるか)を書き出し、今できること(例えばIELTSを数カ月後に受けてみる、そのための英語の勉強をする)があれば即行動!

とはいえ、自分の現在地を把握して、どんな方向で進んで行けそうかを明確にするという作業を一人でするのは不安。

まずは実際にそれを乗り越えた日豪作業療法士に相談して、一緒に自分の進むべき道やその方法を考えてほしい!という方はこちらからオンライン相談のご依頼も受け付けております。

悩むあなたのキャリア相談はこちら

一歩一歩、好きな自分になるために。

今日も一日、楽しい人生を!